• 第594回:AI検索が奪っているのは「アクセス数」だけではない、見込み客育成の変化・デメリットとは?
    Jun 23 2026
    Podcastを今すぐここで聞く ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。 このPodcast/書き起こしで得られること(要点) AI検索の影響は、単なるアクセス減ではなく「判断基準を提案する機会」コンテンツマーケティングにおける、比較・選び方・理解の場はWebサイト上では機能しなくなった中小企業が今後前提に置くべき、サイト上の見込み客育成(ナーチャリング)の流れ 今回のテーマ:AI検索が奪っているのはなに? AI検索が広がることで、企業から失われているのはどのプロセスか、という内容です。主としてコンテンツマーケティングの観点です。 「サイトへの流入が減る」「検索キーワードが見えにくくなる」「Google側のツールが対応しておらずブラックボックス状態」といった話。もちろんそれらもAI検索による影響として重要であり事実です。ただ、私が現場で「最も大きい」と感じているのは、そこではなく。 結論から言えば、AI検索が大きく変えているのは、ユーザーが「情報を探しながら、自分なりの判断基準を作っていく」プロセスです。 売り手側から見れば、見込み客育成・リードナーチャリングのためのファネルの入り口〜中盤の部分です。TOFUとかMOFUの部分。 ここをAIがごっそり持っていき始めている。 セールス・マーケティングの観点では、ここがかなり大きい変化だと考えています。 AI検索で奪われるのは、流入だけではない 長文検索やパーソナライズされやすい、と言う特徴はそこまで重要か?本当か? AI検索の話になると、長文で検索できるようになるとか、パーソナライズされやすくなる、などそういう話題が出ます。 たしかにそれもあります。ただ、長い文章で検索する人は以前からいましたし、Googleでも以前から長い検索自体はできました(インターフェイス的にやりやすいかどうかはともかく)。 ※仕様上は、2013年のハミングバード導入から、会話調や文章での検索に初期対応していた。10年以上前です。 パーソナライズについても、それに繋がるような情報を交えて検索する人はいないわけではないですが少ない。要するに、AIだからという理由でまとめられるほどのものではない(と感じます)。 AIだけではなくチャットボットのログなどを見ていても、長文を入れる人ってホントに一部です。 なので、私はそこが本質だとは思っていません。 では何が変わったのか では何が変わったのか。昔の検索行動を思い出してみると分かりやすいです。 何かを調べるとき、人は最初から答えだけを探していたわけではありません。 情報そのものにたどり着く前に、 どういう観点で見ればいいのか何を基準に判断すればいいのか自分の問いはそもそも何なのか を探していました。 そして、調べながら理解を深めていく。検索しているうちに問いが変わっていく。 少しずつ情報を拾いながら、自分が本当に欲しいものへ近づいていく。そういう探索的な検索の流れがありました。 そしてAI検索は、この「どう調べればいいか」「何を基準に判断すればいいか」という探索的な検索の部分を代わりにやってくれます。 便利ではあります。体感で楽に感じるのは、ここじゃないでしょうか?考え方をアウトソーシングできる。 そういう意味ではインフルエンサーを信じる方向に近い便利さを提供していると言えます。AIは。 しかしそれは、企業側から見ると、ユーザーが自社サイトに来る前に、判断の土台が自社にとってアンコントローラブルな場所(AI)で作られてしまうということでもあります。 従来の検索体験では「選択にはいくつもの切り口がある」と自然に分かった 「○○ 比較」コンテンツが自然と提示していた物 昔から「何とか 比較」「何とか おすすめ」「何とか 選び方」という検索は多かったと思います。 月間検索数でも実際多いですし、それ故トピッククラスターモデルで計画を立てると、まず最初に埋めるべき対象になりがちです。そして、実際に需要はあったし、閲覧されることも多かったですね(それ故競争も激しかったですが) 従来の検索結果では、複数の記事が並びます。 A社の記事では「こういう観点で考...
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  • 第593回:中小企業のAI活用の現状を商工中金のデータから読む、そして本当に必要な「要素」とは何か?
    Jun 15 2026
    Podcastを今すぐここで聞く ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。 このPodcast/書き起こしで得られること(要点) 中小企業のAI活用が、個人利用や事務作業の効率化以上に波及しづらい理由「会社としてAIを導入すれば成果が出る」という見方への注意点AI活用で必要になる「改善後の姿」の描き方情報収集、予算、人材、定着の課題を分けて考える視点中小企業が今からAI活用へ踏み出すための現実的な始め方 今回は、中小企業がAIをどう活用していけばよいのか、というテーマです。AIを個人では使っている。メールの下書き、要約、議事録、ちょっとした調べ物には使っている。でも、会社として経営にインパクトが出ているかというと、そこまでは行っていない。そういう相談は、実際にかなり増えています。 商工中金が公開している中小企業向けの生成AIに関する調査を見ると、まさにその現場感が出ています。 個人判断で使っている企業は多い。一方で、会社全体の業務フローを変えるところまでは、まだ進みきっていない。このギャップをどう考えるかが、今回の大きなポイントです。 私が強く感じているのは、AI活用で最初に必要なのは「AIツールの使用スキル」では”ない”ということです。 その前に、自社がどう変わりたいのか、業務がどうなれば良い状態なのか、その絵を描けるかどうかということです。 会社で導入すること自体が、何かを変えてくれる…訳ではない 調査では、会社として導入している企業のほうが、経営へのプラス効果を感じている割合が高い、という結果が示されています。 これだけを見ると、会社主導で生成AIを入れれば成果につながる、という捉え方をしたくなります。 ただ、そこを少し疑って見たほうがよい。 会社として導入しているから成果が出ている、というより、そもそも会社として導入できるだけの土台がある企業だから成果が出ている。 AIをみんなで使おう、システムを入れよう、業務フローを見直そう、と考えられる会社には、もともと改善する文化があります。 上層部の理解があり、現場を変える力があり、小さく試して前に進める空気があります。 そういう会社は、会社契約をしても成果が出やすいし、個人利用から始まっても深い活用へ進みやすい。 逆に、会社として契約だけしても、使う目的が曖昧で、現場の業務にどう組み込むのかが見えていなければ、ほとんど動きません。アカウントを配っただけで終わる。チームプランを契約しただけで終わる。そういうことは普通。 だから、とりあえず会社としてAIを入れれば何とかなる、という考え方は危険。契約の前に、AIを使える会社になっているかどうかを考えなければいけません。 個別作業の効率化でつまづく理由 生成AIの使い道として多いのは、メール、報告書、議事録、要約といった事務作業です。これは始めやすいですし、実際に効果も出やすい領域です。私も、こうした使い方が悪いとはまったく思っていません。 ただ、そこだけで止まってしまうと、AIの力のごく一部しか使っていない状態に。 目の前の作業を少し楽にすることと、会社全体の生産性を変えることは別の話。 目の前の作業を楽にする使い方は、Excelのマクロを作るような感覚に近いもの。この文章を整えてほしい。このメールを短くしてほしい。この議事録をまとめてほしい。こうした使い方は、今ある作業の中にAIを差し込むだけなので分かりやすい。 一方で、会社全体を巻き込んで、生産性を何十%も上げる。新しい業務の進め方を作る。現場のデータを集め、加工し、使える状態にして、意思決定の流れまで変える。ここまで行こうとすると、先に「自分たちはこうなれるはずだ」という絵が必要。 その絵がないままAIを使っても、どこに使えばいいのかが決まりません。結局、分かりやすいメールや議事録に戻ってしまう。多くの企業が個別作業の効率化でつまづく理由は、AIの性能不足ではなく、向かう先が描けていないことにあると感じています。 改善後の姿が情報収集を決める AI活用が進まない理由として、「情報収集が追いつかない」という声もよく聞...
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  • 第592回:Google AI ModeとChatGPT Searchの引用元の変動はどれくらい?
    May 17 2026
    Podcastを今すぐここで聞く ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。 このPodcast/書き起こしで得られること(要点) 引用元は安定しているように見えて、実際にはかなり入れ替わっています。Google AI Modeでは週ごとに半分程度、ChatGPT Searchでは4分の3程度が入れ替わるという数字を見ると、単発の露出に一喜一憂するのは危険です。 AI検索の引用元は、見た目よりもかなり速い周期で入れ替わっているGoogle AI ModeとChatGPT Searchでは、引用元の数も安定性も大きく違うニュース性のあるコンテンツより、意思決定やサービス理解に関わるコンテンツの方が残りやすいAI検索対策の指標は、単発の露出ではなく、一定期間での継続的な残り方で見るべき AI検索における「引用元」AI Citation Drift 今回は、AI検索における「引用元」の話です。AI検索やAIモードで、自社の情報が引用されるかどうかは、Webマーケティング上かなり大きなテーマになっています。実際、AIOやGEOのような言葉で営業提案を受けている会社さんも増えていると思います。 ただ、ここで難しいのは「何を指標にして判断すればよいのか」です。 1回調べて自社が出ていたから良いのか。逆に、出ていなかったから駄目なのか。提案を受ける側としても、自社で調べる側としても、そこが分からないのは怖いですよね。 今回の出発点は、SISTRIXが出しているAI Citation Driftに関する調査です。AIの回答で引用されるドメインが、時間とともにどれくらい入れ替わるのか。数字を見ると、思った以上に動いています。 AI検索の引用元は固定されていない Google AI Modeでは週ごとに56%が入れ替わる AI Citation Driftという言葉があります。簡単に言えば、AIの回答で使われる引用元が、時間とともにずれていく、入れ替わっていくということです。 Google検索の順位も、もちろん昔から変動してきました。今でもSEO業界はちょっとした変動まで「ニュース」として記事になるくらいです…。 ただ、AI検索系の引用元は、それよりもかなり速いスピードで入れ替わっている。検索結果の順位が少し動くというより、引用されるドメインそのものが週単位で大きく変わるイメージです。 SISTRIXの調査では、Google AI Modeでは、1つの回答にだいたい14から16程度のドメインが引用される。そして、そのうち56%が週ごとに入れ替わる。つまり、1週間でおよそ半分が変わっているということです。 従来のSEO感覚で言えば、1週間で半分が入れ替わるのは大変動です。ツールの画面が真っ赤になるような状態でしょう。しかしAI Modeでは、それがある程度当たり前の挙動として起きている。国別に見ても、ドイツ、アメリカ、イギリス、イタリア、スペイン、フランスで大きく傾向が変わらないため、地域特有というより、プラットフォーム側の構造に近いものとして捉えた方がよさそうです。 ChatGPT Searchはさらに入れ替わりが大きい ChatGPT Searchでは週ごとに74% さらに入れ替わりが大きいのがChatGPT Searchです。SISTRIXの調査では、ChatGPT Searchでは週ごとに74%、つまり4分の3ほどのドメインが新しくなるとされています。 しかも、ChatGPTはGoogle AI Modeに比べて、回答に出てくる引用ドメイン数がかなり少ない。平均で3から4個程度ということなので、そのうち74%が入れ替わるということは、1週間後に同じ引用元として残っているものは、1つあるかどうかという感覚になります。 実際に使っていても、ChatGPTは引用として表に出すドメインが少ない印象があります。途中ではもっと多くの情報を見ているのかもしれませんが、回答上に参照元として出てくるのはかなり絞られている。そこにさらに大きな入れ替わりが乗るので、単発で「出た」「出なかった」を見ても、あまり強い判断材料にはなりません。 単発確認で喜ぶ危うさ ここで注意したいのは、自分で少し調べて「うちが出ている」と喜んで終わってしまうことです。AIツールは、文脈、メモリ、パーソナライズの影響を受けます。自分の環境で見えた結果は、あくまで参考情報でしかありません。 もちろん、まったく意味がないわけではありません。ただ、AI検索の引用元はこれだけ動くので、1回の表示結果で判断...
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  • 第591回:AIに伝わるWebサイトへ 中小企業が次のリニューアルで持つべき視点
    May 8 2026
    Podcastを今すぐここで聞く このPodcast/書き起こしで得られること(要点) AIエージェント時代のWebサイト対応は、AI検索での露出対策とは別の話として重要度が高いHTMLの意味付けやアクセシビリティが、AIにとっての理解しやすさに直結する可能性が高い(Googleブログによると)人間向けの見た目だけでなく、AIが操作しやすいレイアウトや導線が重要になる小手先の見せ方より、標準的で分かりやすい構造と中身で戦う時代に入る ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。 今回は、AIエージェント時代に向けて、Webサイトをどう整えておくべきかという話です。 最近は、情報探索や情報収集をAIに任せる場面が増えています。さらに踏み込んで使っている方であれば、意思決定のための材料集めをAIがかなり担うようになってきたことを、すでに体感しているのではないでしょうか。 そうなると、Webサイトは「人が直接見に来る場所」だけではなくなります。AIが情報を取りに来る。AIがブラウザを操作する。その前提で、自社のWebサイトをどう整えるかを考える必要が出てきます。 これはAI時代の露出の話(≒ いわゆるAIOやGEO)などの話とは違います まず、これはAI検索で引用されやすくする話でも、AI OverviewやAImodeで露出を増やす話でもないです。 今回扱うのは、エージェントが情報を取りに来たとき、迷わず、正確に、負荷少なく扱えるWebサイトにしておくにはどうするか、という観点です。露出が上がるという文脈ではないのでご注意ください。 AIエージェントという新しいWeb利用者 AIエージェントという言葉から、ブラウザを勝手に操作してくれるもの、放っておいても作業を進めてくれるものなど、いろいろなイメージを持つと思います。ここでは厳密な定義には踏み込みません。 外から見た姿として考えると、これまでは人間がWebサイトを見て、情報を集め、資料を作り、意思決定をしていました。その情報収集の大きな部分を、自分ではない何か、つまりAIに任せる時代が来ている。まずはそのくらいに捉えておけば十分です。 もしまだ体験したことがなければ、セキュリティ面には注意しつつ、CodexのComputer Use、あるいは以前からある自動化 Playwrightのような、プログラムがブラウザを操作する仕組みを一度見てみるとよいと思います。 画面上でポインターが動き、処理が進んでいく様子を見ると、人間ではないものがブラウザを操作する時代が、かなり近いところまで来ていることが分かります。 もちろん、今はまだ遅い部分もあります。自分でやった方が早いと思う場面もあります。それでも、一度体感しておく価値はあります。AIがテキストで回答するだけでなく、画面を見て、判断し、操作していく世界を前提にすると、Webサイトに求められるものの見え方が変わるからです。 まず戻るべきHTMLの意味付け 最初に見るべきなのは、HTMLのセマンティック性、つまり意味付けです。 たとえば、クリックして何かアクションを起こす要素を作る場合、HTMLではbuttonタグを使うケースもあれば、aタグを使うケースもあります。一方で、意味を持たないdivタグなどにCSSやJavaScriptで見た目や挙動を寄せて、ボタンのように見せることもできます。 人間は見た目から「これはボタンだろう」と判断できます。しかしAIは、まずHTMLを読んで、そこから「これはアクションを起こすためのボタンだろう」と判断します。視覚を使わずにWebサイトを理解する場面では、Webの基本に沿った意味付けが重要になります。 SEOでは後回しにされがちだった構造 これまでSEOの世界では、HTMLの構造はそこまで重視されてこなかった面があります。H1くらいしか関係ない、HTML Lintで100点を取っても検索順位が上がるわけではない、といった感覚もありました。 経済的インセンティブが薄かったため、構造化データのようにGoogleが目に見えるメリットを出すもの以外は、どうしても後回しにされがちでした。極端な場合、全部をdivで組んでしまうような実装もあります。ブラウザのデフォルト挙動を避けたい、ゼロベースで見た目を作りたいという気持ちは分かります。 ただ、AIエージェント...
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  • 第590回:[現場から]中小企業がAIツール導入で失敗しないために、最初に見直す6つの判断軸
    Apr 7 2026
    Podcastを今すぐここで聞く ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。 AIツールの話になると、どれを選べばいいのか、無料版で十分なのか、自動化まで一気に進めたほうがいいのか、といったご相談を本当によくいただきます。実際には、中小企業のAIツール活用は、難しいことから始めないほうがうまくいきます。 このPodcast/書き起こしで得られること(要点) 中小企業のAIツール活用で押さえておきたいのは、 まず使ってみる有料版で実力を見極める真似から入って使い方を自分の仕事に寄せていく自動化は最初はシンプルな物から外部公開は気をつけてブラウザ操作は気をつけて 便利さだけを追いかけるのではなく、現場で使い続けられる形に落とし込んでいくと、AIは十分に力を発揮してくれます。 中小企業のAIツール活用は、悩む前にまず触ってみる 最初にお伝えしたいのは、悩んでいるなら使ったほうがいい、ということです。今はChatGPT、Gemini、Claude、それからGrokやCopilotのように、選択肢はいくつもあります。どれが絶対に正しいかという話ではなく、実際に触ってみないと、自分に合うかどうかは分かりません。 AIツールは、性能の高さだけで決まるものではありません。やり取りのしやすさもありますし、自分が思っていることを引き出しやすいかどうかもあります。 人と仕事をするときと同じで、相手の能力が高くても、うまく引き出せなければ成果にはつながりません。反対に、多少癖があっても、自分にとって扱いやすければ、そちらのほうが結果として役に立つこともあります。 使っているうちに、やりたいことが見えてくる AIツールは、使い始める前より、使い始めてからのほうが可能性が見えてきます。最初は、文章を書かせる、要約させる、そのくらいしか思いつかないかもしれません。 けれど、日々触っていくと、これもできるかもしれない、あれにも使えるかもしれない、という形で仕事とのつながりが少しずつ見えてきます。 ですから、比較記事を読み続けて決めきれずにいるより、まずひとつ選んで触るほうが早いです。普段からGoogle Workspaceに寄っているならGeminiでもいいですし、まわりにChatGPTを使っている人が多いならChatGPTでもいい。 日本語での書き味が気になるならClaudeでしょうか。なんにせよ、悩んでいる時間が長いなら、まず目の前のものに三千円前後を払って試したほうが、得られるものは大きいはずです。 無料版ではなく、有料版で見ないと実力は分からない これはかなり強くお伝えしたいのですが、無料版だけでそのツールを判断しないほうがいいです。 無料版は入口としては悪くありませんが、そのツールの持っている力や、本来の使い勝手は、どうしても見えにくくなります。無料版のまま何とかしようと頑張るより、有料版にして仕事の中で試したほうが、判断はずっと正確になります。 しかも、有料版にしていても、上位のモデルや機能を使っていないケースは珍しくありません。けれど、その差は意外と大きいです。 出力の質も、考え方の深さも、作業の進み方も変わってきます。個人で使う場合でも、可処分所得がある程度ある方であれば、有料版を使って元が取れない、ということはあまりないのではないかと思います。 年払いではなく、月額で始めたほうがよい AIツールは変化が早いので、最初から年払いにする必要はありません。年払いのほうが安く見えることはありますが、途中で乗り換えたくなる可能性が十分にあります。実際、使っていくうちに、自分には別のツールのほうが合うと分かることはよくあります。まずは月額で始めて、合っているかを確かめながら続けるほうが安心です。 私自身、プロプランや各種APIも含めると、毎月かなりの金額をAIに使っています。ざっくり言えば、一桁上、つまり十万円以上は毎月使っていますが、それでもコストに見合わないと感じたことはありません。それだけ、きちんと使えば仕事に返ってくる余地があるということです。 最初は真似から入るほうが、中小企業のAIツール活用は進みやすい 最初から、自分で一から全部組み立...
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  • 第589回:Web活用・データ活用できない会社の原因を「個人のスキル不足」と決めつけることについて
    Mar 18 2026
    Podcastを今すぐここで聞く データ活用できない会社の本当の原因は「個人のスキル不足」ではない AIや業務効率化、さまざまなシステム活用の話題が飛び交う昨今、それらをうまく取り入れている会社と、どうにも手が出せない会社がきれいに分かれてきている印象があります。 成功事例として持ち上げられるように、スムーズに進んでいるところ、そこそこ実現できている実感があるところもある。 一方で、現場としても経営層としても「どうも活用できない」と感じている会社さんも少なくない印象です。 どちらの会社さんからもご相談をいただく中で、両者の違いや課題について考えることが増えました。そこで今回は「どうすればデータを元に動ける組織になれるのか」というテーマで、現場で感じていることをお伝えします。 「リテラシーが低い」「意識が足りない」で片付けてはいけない データ活用というと、どうしても算数や数学的なイメージがつきまとい、うまくいかない原因を「リテラシー不足」「意識が低い」「主体性がない」といった個人の課題に集約しがちに感じます。 しかし、現場に入ってみると、そういうところ以前の課題が横たわっていることが実に多いのです。 ざっくり言えば、データをうまく使えない組織というのは、スキルがないから動けないのではなく、「データを元にして動くと損をする環境」に人々が置かれてきた結果、そうなっているケースがほとんどです。 つまり、個人の能力ではなく環境が課題のケースが多い、少なくとも原因に占める割合としては大きい。 もしこれがシンプルに個人の課題であれば、話は簡単です。 「このデータはこういうふうに読むと、こういうことが分かるんですよ」と伝えるだけで、どんどん変わっていきます。 組織として研修を行えば、翌日から少しずつデータを見てくれるようになったり、「勉強会をもう一回やりましょう」という声が自然と上がったりする。個人がボトルネックであれば、やり方をお伝えするだけでちゃんと前に進んでいく。 しかし、課題が環境にある場合は違います。 データが使えるということは分かっている。でも、それを活かせる「空気」がない。やりたいと思っていてもやれない。そういう状態が生まれているのです。 組織的な要因が疑われるサイン では、環境に課題があるケースにはどんな特徴があるのか。 私がよく目にするのは、次のようなもの 課題提起した人が、そのまま実行責任を押し付けられる提案すると、なぜか厳しく詰められたり「言ったからには証明してくれよ」という空気になる一番頑張って提案してくれている人が、一番元気がない・疲れている会議では売上などの数字は話題に出るが、対策を練る段階になると急に「勢い」や定性的な話に流れる会議が終わって部屋を出た途端に、みんなが一斉に本音を話し始める こうした状態にある組織では、過去にデータを根拠に動こうとした人が、ポジティブなフィードバックではなく 「そんなデータで何が分かるんだよ」「否定するなら説明責任を取れよ」と一方的に押し付けられてきた経験があることが多いのです。 結果として、今のやり方とは異なる判断軸を持ち込んだときに、それを受け入れられない体質ができあがってしまいます。 個人個人のスキルを上げたところで解決しない そういう状況なら、個人個人のスキルを上げたところで解決しません。 むしろ、やる気やモチベーションのある人から先にやめていってしまうという深刻な事態を招きかねません。 管理者としてこの状況を変えたいのであれば、まずは組織の空気そのものを変えることが出発点です。 影響力のある立場の方ほど率先して行動し、たとえ失敗しても「うちは変わるんだ」という姿勢を見せることが重要です。 データ活用を阻む「4つの壁」 データ活用がうまくいかない原因は大きく4つに分類できると私は考えています。 壁1:能力・スキルの課題 1つ目は、シンプルに今までやってこなかったという経験値の課題です。 データの見方が分からない、解釈の仕方が分からない、そこから何ができるのか行動に結びつかない...
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  • 第588回:その勝手ランキング・比較・○○選記事、大丈夫ですか?|Google評価とAI時代の新リスク
    Mar 6 2026
    Podcastを今すぐここで聞く ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。今回は、勝手ランキングや比較記事、○○選記事のようなセルフプロモート型のページが、なぜ今あらためて見直しの対象になっているのかを、現場で見えてきた変化とあわせてお伝えします。 このPodcast/書き起こしで得られること(要点) 自社をよく見せる「前提」で作られた、セルフプロモート型の記事はリスクが高くなっています。Googleも厳しく見てくる動きが現れ始めています。 また、今は検索だけでなく、生成AIでの再参照や情報探索が一気に広がっています。そのため、法的な見られ方、そして読者の信頼まで含めて、短期的な露出より長く残るデジタルタトゥーを警戒すべきです。 自作自演的なランキング記事が少しでも話題になれば、あるいはそう言った業者に対する風当たりが強くなれば、そこに依頼しているあなたも、未来に続く営業負債を抱えてしまうかも知れません。 要点 ランキング形式そのものが問題なのではなく、独自性や一次情報のないセルフプロモート型の作り方が危うくなっています。一時的に見つかりやすくなったとしても、見抜かれた瞬間に信頼を失いやすく、その印象は後から消しにくいです。これからは、どこかに載ることよりも、第三者に正当に選ばれる状態をつくることの方が、はるかに企業の資産になります。 「勝手ランキング記事」とは? もともと比較記事やランキング記事には、読者に選択肢を渡す役割がありました。それ自体は悪いことではありません。実際、丁寧に比較し、評価軸を明示し、経験をもとに書かれた記事は、読み手にとってとても役に立つものです。 ところがその中には、最初から自社を押し上げるために作られたページがあります。 おすすめ、比較、○○選といった形を取りながら、実際には読者の判断を助けるより、自社への導線づくりが主目的になっているものです。 見た目は情報提供でも、中身はPRの延長になっている。そういうページが、ここしばらく目立つようになってきました。多くの場合それは自作自演か、そう言った業者によるコンテンツ作成サービスによる記事です。 営業提案として広がっている 現場で見ていても、この手の提案は増えています。 社のクライアントに寄せられる営業をチェックしていますが、生成AIに強いという話が出回ってから一気に増えています。 後えば、特定の地域や業種について「おすすめを教えて」と生成AIに聞かれたとき、先に一覧ページを作っておけば引用されやすい、という営業文句ですね。 自社を1位に入れる、自社を10選の中に入れる、掲載されていること自体を実績のように見せる。そうした見せ方を成果として売っている提案です。 読み手の判断材料を増やしているのではなく、最初から誘導先が決まっているなら、それは比較記事の形を借りた販促に近くなります。 その違和感は、いままで以上に見抜かれやすくなっていますが、あくまで対話型AIに引用されるために作っている、コンテンツ自体を見せないようにするという点で巧妙です。 検索での評価が変わり始めている その前提で見ておきたいのが、2025年12月のコアアップデート以降の変化です。Googleの公式記録でも、2025年12月11日から29日までコアアップデートが行われたことが確認できます。Google Search Status Dashboard その後、2026年2月4日に公開された Google may be cracking down on self-promotional ‘best of’ listicles では、自社を上位に置くベスト記事を多く抱えたサイトで、可視性が大きく下がった事例が紹介されていました。 もちろん、これだけで世の中のすべてを断定はできません。ただ、少なくとも「こうした作り方は今後も安全資産になる」とは言いにくくなっています。 実際に見られたらマイナスだがGoogleのAImodeなどで好意的に露出できるなら差し引きプラスだという考え方が通用しなくなる可能性が高いからです。 ランキング形式そのものが悪いわけではない 念のためお伝えしたいのは、Googleが比較記事やランキング記事そのものを否定しているわけではない、ということです。 Googleの Google Search’s ...
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  • 第587回:AI時代のスキルアップに必須な“生の経験の蓄積”を急いで行おう
    Feb 26 2026
    Podcastを今すぐここで聞く ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。 AI時代に伸ばすべきは、知識よりも「生の経験」 AIが社会を大きく変えていく今、スキルアップに何を選べばいいか迷うという声をよく聞きます。コミュニケーションやプログラミングなど候補は多いですが、現場でAI活用の差を見てきた私の結論は一つ、「生の経験を積み重ねること」です。 AIを使って成果を出せる人ほど、もともと自分の中に「やってきた量」があります。営業でも制作でも開発でも、泥臭く手を動かしてきた人は発想の幅が広く、AIへの指示の出し方そのものが変わります。 AIの返答の質を決める重要な要素「考えるフレーム」 AIの返答が「なんか違う」と感じるとき、多くの場合その原因は「どこからどこまで考えるか」という範囲のズレです。これはAI分野で「フレーム問題」と呼ばれる考え方に近く、AIは指示がなければいくらでも思考範囲を広げてしまいます。つまり、AIに「どこまで考えてほしいか」を明示できるかどうかが、成果の分かれ目です。 実践経験があると、AIに渡す条件が具体的になる 経験がある人はAIに対して「これも考えて」「そこは要らない」と的確に判断でき、返ってきた案の何が足りないかを言葉にして修正できます。一方、経験が浅いままふわっと「調べておいて」と頼むだけでは、返答もそれなりにしかなりません。 AIを使いこなす人ほど、最初に次の3つの条件を整理してから対話を始めています。 「前提条件」――今何が分かっていて、何が分かっていないのか「制約条件」――やってはいけないこと、触れなくてよいこと、優先順位「期待するゴール」――何を決めたいのか、どの粒度のアウトプットがほしいのか この条件を頭だけで組み立てるのには限界がありますが、その領域で実際に手を動かした経験があれば「ここが落とし穴」「ここは余計」という勘所が育ち、AIの出力を現場に乗せやすくなります。 「将来AIがやるから、今はやらなくていい」は危ない考え方 AIやロボティクスの発展で代替される領域は今後も広がるでしょう。そのため「どうせなくなる仕事」と割り切り、経験を積まずにいる人が増えています。しかし私の実感では、仕事は「消える」のではなく「形が変わる」のほうが正確です。スピードが上がり作業が軽くなっても、改善・安全性・コスト見直しなど手を入れる余地は常に生まれます。形が変わった仕事の中で何をどう改善すべきか判断できるかどうかは、過去の経験量に大きく左右されます。 経験は、どんどん積みにくくなる 便利さが増すほど、「体験する機会」そのものが減っていきます。AIの効率化が進むほど、人が直接手を動かす場面は確実に減るからです。現場の温度感や細部の感覚は画面越しに見ているだけでは身につかず、あとから取り戻すことも容易ではありません。気軽に経験できる今のうちに、実際に手を動かしておくことが重要です。 体験を増やすために、今すぐできること 大げさに考える必要はありません。大切なのは「学びで終わらせず、現場で役割を持って動く」ことです。 副業として小さく受けてみる――範囲を決めて、責任を持ってやり切る誰かの仕事を手伝わせてもらう――近くで見て、同じ手順を自分でもやってみるボランティアでもいいので実際の現場に触れる――「役割がある場」に入り、期待に応える 体験を積んでおくと、AIを使う場面で「何を任せ、どこを自分で見るか」の判断がしやすくなります。道具を価値に変えるのは、使う側の解像度です。 余談:法人の生き残りはまた別問題… 個人スキルの話から視野を広げると、法人側も大きく揺れています。特にメディア業界は収益モデルと専門性の両面で厳しい局面に入りつつあります。Google Discoverのように検索なしで情報が届く仕組みに加え、対話型AIが「おすすめ枠」形式で情報を届ける方向へ進んでいます。さらにMCP(外部ツールと対話型AIをつなぐ仕組み)の普及が重なると、情報の流通経路そのものが根本から変わっていきます。 現場でのAI活用は、これから一気に広がる 支援先でもAIツールを使う方...
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