Episodes

  • EP. 642『@水戸 、其ノ一 - 水戸、江戸、アンコウ』
    Jun 29 2026

    東京から水戸へは、常磐線で乗り換えなし約1時間。日帰りにもぴったりの距離です。水戸は那珂川や桜川が流れる“水のまち”で、偕楽園の梅や豊かな自然が楽しめます。冬の名物といえばやはりアンコウ。12月から2月が旬で、あん肝やどぶ汁はもちろん、江戸時代には「常陸の国のアンコウが上品」と記されたほどの名物でした。実はアンコウは冬だけでなく、春には刺身、フレンチではポワレとしても味わえ、調理法によってまったく違う表情を見せてくれます。また、「水戸」の「戸」は入り口を意味し、川や水辺の入り口にできた土地であることが地名の由来だそうです。水の恵みと豊かな食文化に育まれた水戸の魅力を、改めて感じる旅となりました。

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    9 mins
  • EP. 641『@笠間 、其ノ四 - 自分で作った器で食べる!かさましこ』
    Jun 25 2026

    ゴールデンウィークの笠間では、陶芸の里・笠間芸術の森で笠間の「陶炎祭(ひまつり)」が開催されます。200を超える陶芸家が作品を展示販売する陶芸市で、来場者が茶碗やぐいのみを作れるワークショップも行われています。笠間は栃木県の益子にも近く、車で約40分ほどの距離にあります。笠間と益子は「かさましこ」と呼ばれ、日本遺産「兄弟産地が紡ぐ焼き物語」の舞台。両地域を合わせると600以上の窯元があり、18世紀後半から陶磁器を通じてつながってきました。笠間焼は自由な発想による造形性の豊かさが特徴で、器にとどまらない作品も数多く見られます。一方の益子焼は、人間国宝・濱田庄司に代表される民藝の流れを受け継ぎ、土の温かみや素朴さを大切にしています。自分で作った器で食事をすると、味わいも違って感じられます。笠間や益子で、ぜひ自分の器を作ってみてはいかがですか。

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    9 mins
  • EP. 640『@笠間 、其ノ三 - 真っ白!自然薯』
    Jun 24 2026

    笠間の道の駅では、この時期になると摘果メロンが人気です。摘果メロンは手のひらほどの大きさの若いメロンで、生のまま塩をつけて食べると、メロンのほのかな甘みとキュウリのようなみずみずしさが楽しめます。マヨネーズを添えたり、一夜漬けにしたりしても美味しく、午後には売り切れてしまうほどの人気です。また、道立派な自然薯も並んでいます。自然薯は地中深くまで伸びるため、掘り出して収穫します。皮をむくと真っ白で、土臭さはなく、森や落ち葉を思わせる香りがあります。粘りが強く、塩だけで味わうと自然薯本来の風味が引き立ちます。麦ご飯にかけると、とろろの粘りによって一層美味しくなります。笠間の土は自然薯の栽培に適していて、弥生時代や古墳時代の人々も食べていたのではないかと思わせる土地です。

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    9 mins
  • EP. 639『@笠間 、其ノ二 - 胡桃稲荷、縄文弥生』
    Jun 23 2026

    笠間は栗の産地として知られ、「栗のいえ」では笠間産の栗を使ったデザートを楽しむことができます。江戸時代から続く庭や旧町長宅だった建物も残されています。栗は果物として扱われますが、デンプンを約40%含み、じゃがいもやさつまいもと同じように炭水化物が豊富な食べ物です。そのため縄文時代から貴重な食料だと考えられていました。笠間には弥生時代から古墳時代にかけての遺跡が多く、笠間中央公園遺跡では弥生時代から鎌倉・室町時代までの遺構や土器が発見されています。また、「栗のいえ」がある土師(はじ)地区は、古墳時代に埴輪や土器づくりに関わった人々の名を今に伝える土地です。笠間では栗づくりだけでなく、地元の土を使った陶芸も行われており、夏には栗を使ったかき氷も味わうことができます。

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    9 mins
  • EP. 638『@笠間 、其ノ一 - 胡桃稲荷、縄文弥生』
    Jun 22 2026

    笠間市は東京から車で2時間半ほど。今の季節は栗の花の香りや若葉が美しく、のんびり散策するのにぴったりです。笠間稲荷神社の参道には、お狐様やお社を売るお店が並び、赤い鳥居が新緑に映えていました。境内には樹齢400年ともいわれる「オニグルミ」の御神木があり、縄文時代から続く自然の歴史を感じさせてくれます。一方、お稲荷様は稲作と結びついた弥生時代の信仰。笠間には縄文と弥生、二つの時代の物語が重なっているんですね。参道で見つけた小さな稲荷寿司には、そのオニグルミが入っていて、お米との相性も抜群。甘くて香ばしい味わいに思わず笑顔になりました。お狐様がくわえる鍵は、人の幸せを開く鍵ともいわれます。笠間は、そんな小さな幸せに出会える町でした。

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  • EP. 637『@宇治 、其ノ四 - 鮎とウッティー』
    Jun 18 2026

    宇治川を眺めていると、中州の形が「仁」という漢字のように見えました。仁とはもともと親子の愛情を表す言葉でしたが、孔子はそこに広く人を思いやる心という意味を与えました。そんなことを考えながら、宇治の風土や文化に流れる優しさについて思いを巡らせます。宇治では初夏になると鮎の季節を迎え、伝統的な鵜飼が行われます。なかでも宇治の鵜飼は、人工孵化で生まれたウミウを女性鵜匠たちが育て、鵜と人との深い信頼関係によって成り立っていることが特徴です。縄を付けずに放たれた鵜が鮎をくわえて船へ戻り、自ら鵜匠のもとへ運んでくる姿には、親子のような絆が感じられます。また宇治は『源氏物語』宇治十帖の舞台でもあります。浮舟の物語には恋愛だけでなく、母への思慕や人間の孤独、心の苦悩が色濃く描かれています。宇治川の流れや鵜飼の風景を通して、宇治という土地が持つ深い優しさと、人の心を包み込むような魅力について思いを巡らせました。

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    9 mins
  • EP. 636『@宇治 、其ノ三 - 白身魚と宇治の御茶』
    Jun 17 2026

    以前から訪れたいと思っていた宇治を訪ね、宇治橋断碑をみました。宇治橋断碑は日本現存最古級の石碑の一つで、大化の改新の翌年である646年に架けられた宇治橋を記念して建てられました。現在は三分の一ほどしか残っていませんが、宇治橋建立の記録は複数の歴史資料にも残されており、古代から交通の要衝だった宇治の歴史を今に伝えています。碑文には、流れの速い宇治川を渡れず人々が困っていたため橋が架けられたことが記されています。橋は人と人、場所と場所を結ぶ存在です。一方で宇治は茶どころとしても知られています。宇治のお茶をいただきながら、鯛とヒラメのお造りをいただくと、白身のお魚の甘みがもっと白くなるような感じがしました。宇治茶と静岡・掛川のお茶を飲み比べながら、それぞれの味わいの違いについて考えます。宇治茶には心を静めるような穏やかさがあり、まるで障子越しの柔らかな光のような静けさを感じます。橋や箸、そして「端」という言葉に共通する“つなぐ”というイメージがします。宇治のお茶が人を別の世界へ導く架け橋のような存在であるんだなと思います。

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    9 mins
  • EP. 635『@宇治 、其ノ二 - 抹茶豆腐と鳳凰堂』
    Jun 16 2026

    雨の降り始めた宇治を訪れ、宇治川沿いで1840年創業の老舗料理店の二階から川の流れを眺め、源氏物語の「宇治十帖」に思いを巡らせました。宇治は古くから都を離れた人々が集う場所ともされ、その地名も「憂い」に由来するという説があります。そんな人々の不安や悲しみに寄り添うように建つのが平等院鳳凰堂です。平安時代、人々は末法思想により世の終わりへの恐怖を抱いていました。栄華を極めた藤原道長もまた、権力だけでは人々を救えないことを知り、平等院鳳凰堂の建立を通じて新たな平和への願いを託したといわれています。旅の締めくくりには宇治ならではのお茶料理を味わいます。三日かけて作られる抹茶豆腐は、美しい新緑色とやさしい風味が印象的で、宇治の歴史や信仰の世界と重なり合うような深い余韻を残してくれました。

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    9 mins