#34: PostgreSQLのロック:アプリ開発の「はまりどころ」から内部実装まで(後編)
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PostgreSQLのロックの仕組みについて、データベース内部実装(SpinlockやLWLockなど)のディープな世界を深掘りする2回エピソードの後編です。
今回は、DBAやデータベース開発者、並行プログラミングに関心がある方向けに、PostgreSQLの内部的な排他制御を解説します。CPUのアトミック命令であるCAS (Compare-and-Swap) を前提知識として、WAL (Write-Ahead Logging)の書き込みなどで使われ競合時にスリープする「Lightweight Lock (LWLock)」と、スリープせずにCPUを回し続けてロック獲得を待つ「Spinlock」の仕組みや用途の違いを整理します。
さらに、Linux 7.0環境で話題になったPostgreSQLの性能劣化問題の真相に迫ります。カーネルのスケジューラ変更(プリエンプションの挙動変化)がSpinlockに与えた影響や、PostgreSQLコミッタが指摘する、Spinlockをfutexに置き換えることの構造的な難しさを紹介します。また、この性能劣化報告の根本的な原因が「Huge Pages」の未設定によるTLBミスとページテーブル探索のオーバーヘッドにあったことを挙げ、OS・CPUレベルの適切なパラメータ設定がいかに重要であるかを議論します。
PostgreSQL内部実装 / CAS命令 (Compare-and-Swap) / Lightweight Lock (LWLock) / Spinlock / WAL書き込み / Linux 7.0性能劣化問題 / プリエンプション / futex / Huge Pages / パラメータチューニング
参考リンク
- PostgreSQLのロックでハマりがちな挙動5選
- AWS Engineer Reports PostgreSQL Performance Halved By Linux 7.0, But A Fix May Not Be Easy
- I really dislike the use of spinlocks in postgres